株主優待制度を新設
1000円分のQUOカード
同社は2024年9月期より、相次いで還元施策を実施している。
新たに導入したのが株主優待制度だ。決算月である9月末日現在の株主名簿に記載、または記録された株主のうち、100株(1単元)以上を保有する株主を対象に、QUOカード1000円分を進呈する。
これは、株主への日頃の支援に感謝するとともに、同社の認知度向上、個人投資家の取引活性化を図ることを目的としたもの。同社株式への投資の魅力を高め、より多くの投資家に株式を保有してもらうことを期待している。
目標配当性向を見直し
連結配当性向30%~35%に
同社はまた、株主に対して利益還元することを経営の重要課題のひとつであると認識。将来の事業展開と経営体質強化のために必要な内部留保を確保する一方で、長期的で安定した配当を継続していくことを配当方針の基本としている。
この方針に従って、同年度に行ったのが目標配当性向の見直しだ。年間1株当たりの配当金額について連結配当性向30%~35%を目標とした。一方、中間配当は、今後、半期単独業績の安定性や、通期の見通しなどに基づき、配当を行うかどうかを慎重に検討し、決定するとしている。
同社は2022年9月期以降、増配を続けている。今後も確実にそのレンジに入るかたちでの株主還元を実施していきたいという。
こうした優待策や安定配当の方針は、同社が個人投資家との関係を重視し、共に成長するパートナーとしての位置づけを意識していることのあらわれだ。IT人材不足が深刻化する中で、同社の強みである教育事業は社会的な存在意義を増しており、中長期的な成長が見込まれる事業基盤とあわせて、個人投資家にとって、魅力ある投資先として認知度を高めていきたいという。
同社は今後も、経営の透明性や株主との対話を重視しながら、企業価値の最大化と株主還元の両立を目指していく方針だ。
DX支援から人材育成まで
多角的なビジネスモデル
ディ・アイ・システムは、企業のIT課題を総合的に解決する体制を強みとする独立系システムインテグレーター企業。システム開発やインフラ構築などを手がけるほか、自社グループ製のセキュリティソリューションの販売・導入も対応。さらに、IT/DX人材育成に注力し、未経験者の研修から現場即戦力の育成までを一貫して行っている。これらをワンストップで提供することで、顧客の業務効率化とコスト削減を実現し、中小規模企業を中心に高い評価を得ている。
2025年9月期の売上高は、前期比10・1%増の75億2300万円、営業利益は同4・8%増の3億6000万円、経常利益は同4・7%増の3億5900万円となる見通し。