空港の「安全性・快適性」を支える「見えないインフラ」への誇りと責任

航空機に電力や空調を提供
唯一無二の存在感示す

世界を結ぶ空の玄関口・空港。その円滑な運営の裏側には、航空機が駐機中に必要な電力や空調を供給する「地上支援設備」の存在がある。これを全国の主要空港で担っているのが、エージーピー(AGP)だ。

同社は航空機が駐機している間に必要な電力(GPU)や空調(PCA)を提供することで、空港の安全性・快適性を保ち、航空機の効率的な運航を支えている。決して目立つ存在ではないが、止めてしまったら空港全体が機能不全になる。1965年の創業以来、同社はそれだけ重要なポジションを担ってきた。その仕事は表舞台には現れにくいが、日本の航空インフラを陰から支えるキープレイヤーだ。

同社がユニークなのは、特定の航空会社や資本系列に属さない〝独立系インフラ企業〟である点だ。空港という公共性の高いインフラでは、すべての航空会社が公平に利用できる環境が求められる。同社はどこの会社にも偏らず、同じ品質のサービスを提供することで、健全な競争環境を支えている。

航空旅客数の増加や空港インフラの拡充に伴い、同社のサービス需要も高まっており、現在、国内外140社以上の航空会社を顧客に持つ。
同社の独立性は、空港運営会社や自治体、航空会社からの高い信頼にもつながっている。

脱炭素社会に向けた成長機会
航空機の燃料削減にも貢献

同社が現在、注力しているのが「環境対応」だ。航空業界におけるCO2排出削減が国際的な課題となる中、AGPは脱炭素化の担い手としての役割も期待されている。
GPUやPCAを利用することで、航空機のエンジン使用時間を削減することができる。これは燃料削減にもつながる環境施策だ。今後は空港設備の電動化・再エネ化など、脱炭素インフラとしての価値も高まっていくことが期待できる。

透明性と独立性確保
安定成長と長期視点

同社は近年、国内空港の設備更新や新設案件を多数受注し、安定した収益基盤を構築している。2023年以降も増収基調を維持し、財務体質も健全だ。これは短期の収益だけを追わず、中長期の社会的意義や信頼性を第一に考える。それが同社の経営の根幹となっている。

人材育成にも力を入れており、独自の5つのコアバリュー(誠実、公正、挑戦、協調、貢献)に基づき、専門性と責任感を持った技術者集団を育成しているという。

AGPが掲げるビジョンは、「独立した立場から、すべての航空会社に公平なアクセスを提供するインフラ運営の実現」。
この理想のもと、同社は先進設備への継続的な投資や海外展開の検討などを通じ、日本の空港インフラの国際競争力向上にも貢献している。

上場企業としてのガバナンス体制も確立されており、透明性の高い経営、ステークホルダーへの誠実な情報開示、そして中立性を保った意思決定を重視。これにより、長期的かつ安定的な企業価値の創出に取り組んでいる。

航空機の効率的な運航を支える

同社は、空港インフラの独立系リーダーとして、引き続き持続可能な成長を目指す。そして市場の拡大や技術革新を背景に、新たなサービスの提供や事業領域の拡大を図っていく。

 

 

 

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